新釈 ジングウタンポポ

本稿では植物分類地理2巻3号 (1933年9月1日) 183頁 “東亜菊科新植物(IV)” (北村四郎) に準拠する。これは記載論文である。著作権を考慮し、他の投稿と形式を異にする。(*本稿は著作権法上の翻案、翻訳等の規制を踏まえて執筆しておりますが、問題がある場合はご教示願います。)

ジングウタンポポ Taraxacum micranthum KITAMURA

〈葉〉
・全体
斜上
・形
倒披針形で先端は鈍頭、基部は長く徐々に狭まり葉柄になる。長さは10-23 cm、幅は28-60 mm。深く羽状に裂ける。
・毛
両面とも早落性。
・頂裂片
中型で、扁圧された三角形または亜鉾形で、先端は顕著な鈍頭、微凸頭に多少近く、全縁。
・側裂片
長三角形または三角形で鋭頭、通常は開出するが、まれにわずかに反曲する。
・裂片の間
狭く、または広い場合もあり、全縁で切れ込みや歯牙がある。

〈花茎〉
複数出る。

〈総苞〉
・全体
乾燥時長さ約10-16 mm、幅13-20 mm。すべて緑色
・総苞外裂片
開出し、内裂片の1/2以上に達する。普通披針形で、まれに長楕円状披針形。縁にはまばらに軟毛が生え、先端は鋭頭、2 mm 以下の長い円柱型の無毛の角状突起がある。
・総苞内列片
線状披針形で鋭頭、明瞭な角状突起がある。

〈花〉
・頭花は黄色で径13 mm、筒部の長さは5 mmで、先端には密に短毛が生える。舌状花の裏面には幅広の条がある。

〈果実〉
藁色で長楕円形、長さ3 mm、やや扁平で角ばっており、上部には棘状小突起があり、caspidem? の長さは徐々に細まって1 mm。基部に向かって狭くなり、ほぼ平滑。嘴部の長さは6.5 mm。

〈冠毛〉
汚れた色で、長さ6 mm。

タイプ:志摩国鳥羽 (1933年5月24日 Y. ARARI) 京都大学ハーバリウム
(分布) 伊勢国神路山 (1932年4月9日 原寛)、朝熊山 (1929年6月17日 北村四郎)

【考察】
タカサゴタンポポ (T. formosanum KITAMURA) にかなり似ている旨言及されているが、生育地が海岸ではなく山地や平地である点、果実が藁色で、基部において突起が続かずほとんど平滑となる点、総苞外列片の幅がタカサゴタンポポよしも少し幅広で角状突起がかなり長くなる点を以て種のランクで区別している。総苞外列片が開出する特徴から、角状突起の発達が弱い場合タンポポ調査では外来種群に区分されている可能性もある。

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